2021/02/26

多くの研究者はブロックチェーンを価値インターネットと呼んでいる。この表現は完全に正しいわけではない。ブロックチェーンは主に、サプライチェーン管理(SCM)・偽造防止と追跡・貧困扶助・医療健康・食の安全・公益活動と社会支援などの場面に利用されている。情報インターネットとするブロックチェーンの応用は、分散型台帳でオフチェーンの商品・薬品・食品と資金などの流れを記録することで、上流と下流における異なる部分を相互的に検証させ、分散されたデータの間で繋がりを作り、全フロー管理を実現する。

このような応用は、多くの場合に「コインレスブロックチェーン」とも呼ばれ、共通した特徴がある。ブロックチェーン自体が価値移転(資産の所有権またはリスクの移転を指す)に関わらないが、ブロックチェーン外の価値移転をブロックチェーンに記帳できる。

情報インターネットとしてのブロックチェーンの重要性を考えると、以下の問題を明確にする必要がある。

1.ブロックチェーンにおける情報インターネットと価値インターネットの二つの機能はどのような関係であるか。

2.ブロックチェーン外のどのような情報がどのようにブロックチェーンに記帳できるか。

3.情報インターネットとしてのブロックチェーンでできることとできないことは何であるか。

<トークンとその取引に関連する情報>

ブロックチェーンは分散型台帳とも呼ばれ、台帳の記録・流通・および保存が分散型ネットワーク上で分散的に実行されることを意味する。しかし、分散型台帳は包括的な台帳ではなく、主にトークン台帳についてのものである。

Tokenには、仮想通貨・暗号資産・トークンなど、複数の翻訳があるが、基本的にはブロックチェーンで定義された状態変数であり、現金と似てきた特徴があるが現金を超えるいくつかの機能がある。

<トークンの現金と似てきた特徴>

1. 非対称暗号はトークン所有者の匿名性を保証できる。

2. トークンは異なるアドレス間で転送できる。

3. ブロックチェーンはコンセンサスアルゴリズムと改ざん防止の機能により、トークンの「二重支払」を防止できる。

4. トークンの転送プロセスでの総量は同じである。つまり、アドレスAの収入は、アドレスBの損失である。

5. ブロックチェーン内のトークン取引は、信頼できる集中型の機関に依存する必要はない。

6. 状態(台帳)の更新は、取引の確認と同時に完了するので、決済リスクがない。

<現金を超えるトークンの主な機能>

1. 同じルールで定義されたトークンは同質であり、より小さな単位に分割できる。

2. ブロックチェーンはインターネット上で実行できるため、ブロックチェーン内のトークン取引が国境を越えることができる。ブロックチェーン内のアドレスが境内と境外の区別がなく、ブロックチェーン内のトークン取引でもオンショア、クロスボーダー、オフショアの区別がない。

スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で実行され、主にトークンに対して複雑な操作を実行するコンピューターコードである。スマートコントラクトとトークンの間には不可分の関係がある。検証ノード(またはマイナー)は、コンセンサスアルゴリズムを実行し、トークン取引を検証および処理し、分散型台帳の状態を更新する。トークン・スマートコントラクト・およびコンセンサスアルゴリズムはすべてコンセンサスの領域内にある。コンセンサスアルゴリズムは、コンセンサス領域内の信頼性を保証する。ブロックチェーンは「私たちが信頼する数学である」と言う。つまり、この信頼性は本質的に数学的なルールによって作成される。

<トークンとその取引に関係ない情報>

ブロックチェーン内には、トークンとその取引に関係ない情報がたくさんある。例えば、ビットコインのジェネシスブロックで「The Times 03 / Jan / 2009 Chancellor on the second bailout for banks」という有名なフレーズがある。またブロックチェーンに記録されるブロックチェーン外の価値の移転もトークンに関係ない情報である。

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