プロジェクト・ウビン(Project Ubin)フェーズ5に関する調査

2020年7月、シンガポール金融管理局(MAS)とテマセク(TEMASEK)は、プロジェクト・ウビン(Project Ubin)のフェーズ5に関する調査レポートを共同で発表した。プロジェクト・ウビンは、MASが実施したブロックチェーン技術の研究プロジェクトである。五つのフェーズに分けてプロジェクトが進められ、現在フェーズ5まですべてのフェーズが完了している。最初の四つのフェーズでは、主にブロックチェーン技術の実現可能性に関する研究が行われた。主な研究内容には、シンガポールドルのトークン化、決済システム、DvP (Delivery Versus Payment)及び多通貨決済ネットワークが含まれる。フェーズ5では、ビジネスシーンでさらに実用的な応用基盤を築くために、ブロックチェーンの応用価値の証明に焦点を当てている。


研究目的


プロジェクト・ウビンのフェーズ5の研究目的はMASと金融業界における提携企業との共同で決定され、具体的には以下の内容が含まれている。


一つ目は技術開発である。これは、ビジネスシーンにさらに応用できる決済ネットワークのプロトタイプの開発を指す。サービスと役割がモジュール化されているという特徴を持った柔軟な技術アーキテクチャで、シンガポール国内の状況に適している複数の国および多種類の通貨での決済を参照できる決済モデルを開発する。


二つ目は応用ケースである。複数の通貨での取引、証券・その他の資産の決済など、明確で緊急のビジネスニーズを持つ応用ケースを研究する。加えて、新たな応用ケースを検討する。


三つ目は、接続・統合テストである。応用ケースとの接続・統合テストをサポートするために、追加機能と接続インターフェイスを開発する。選ばれた応用ケースを使用して、機能と接続仕様を改善する。そして、オープンソースライセンスに従って、仕様をリリースまたは公開する。


研究方法

①プロセス


上記の研究目的によると、プロジェクト・ウビンのフェーズ5の研究方法は、J.P. Morgan主導の技術開発とアクセンチュア主導の応用ケースの開発という二つの並行するワークフローに分けることができる。次に、これら二つのワークフローを組み合わせて、接続・統合テストを行う。


J.P. Morganは、決済ネットワークを開発するため、エンタープライズレベルのブロックチェーンプラットフォームQuorumとデジタル通貨JPM Coinを使用している。これにより、実際のニーズに近いシミュレーションが提供されるのと同時に、ビジネスレベルのテストに適した環境が提供される。同時に、プロジェクト・ウビンのフェーズ5では、決済ネットワーク上で様々な異なる通貨を使用できる。アクセンチュアは応用ケースの第二回調査を実施し、ウビンの決済ネットワークから利益が得られる124の応用ケースを特定した。


②決済ネットワーク


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