ブロックチェーンとデバイス間の大規模なコラボレーション

問題提出


アリババDAMOアカデミーは、『2020年のテクノロジートレンド10選』中で4番目の主要トレンドとしての「デバイス間の大規模なコラボレーションが可能となること」を挙げた。DAMOアカデミーは、IoTとセンシングテクノロジーのコラボレーションと5G通信テクノロジーの発展により、複数デバイス間のコラボレーションが実現すると考えている。デバイスは互いに協力・競合して、目標やタスクを共同に達成する。複数デバイスのコラボレーションによってもたらされる群知能(SI)は、インテリジェントシステムの価値をさらに増加する。


DAMOアカデミーは、スマートデバイスのネットワークにおける情報共有と統合制御の役割を強調しているが、その前に次の質問について議論する必要があると思う: ①それは、デバイス間の大規模なコラボレーションを行う唯一のメカニズムであるのか。また他のメカニズムはあるのか。②分散型のコラボレーションのネットワークとして、ブロックチェーンとデバイス間の大規模なコラボレーションの間に共通部分はあるのか。


人類社会の大規模なコラボレーション


デバイス間の大規模なコラボレーションを理解するには、それを人と人の大規模なコラボレーションと比較すると良い。大規模なコラボレーションは、人間社会の最も重要な特徴の一つである。それがないと、人類文明は今日のように発展することはできないだろう。


人間社会の大規模なコラボレーションメカニズムは、二つのカテゴリーに分けられる。一つ目は集中型であり、トップダウンの命令系統、ボトムアップのフィードバック体制、およびマルチレベルのプリンシパル=エージェント関係がコア特性として使用される。代表的な事例は、行政機関・企業組織・および軍事ユニットである。二つ目は市場メカニズムを代表としている分散型である。市場メカニズムには中央計画経済や統一調整がなく、参加者ごとは、各自の利益のために働く同時に、分業と交換を通じてグループの利益を増大させる。次には市場メカニズムについて論じる。


市場メカニズムにおいて、人と人のコラボレーションは不可分の二つの次元で行われる。一つ目は情報の次元である。例えば、銀行が会社に貸し出す前に、銀行は当該会社の信用状態を評価する必要がある。ここには二つの評価方法がある。一つ目は会社の財務諸表を分析し、会社の信用を評価することである。AIとビッグデータ分析が台頭した後、企業の多くの非構造化情報も分析できる。二つ目は、市場価格を利用して、企業の株価・債券の利回り、およびクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドから信用リスクのレベルを導き出すことである。様々な市場において、参加者は自分の情報に基づいて資産を取引する。好調と判断する人は買付けを行い、不調と判断する人は売却を行う。そのため、取引によって形成された資産価格は、異なる人が把握した情報を組み合わせたものである。多くの場合に、市場価格の情報開示の機能は、AIやビッグデータ分析に置き換えることはできない。ハイエクは『隷属への道』で次のように指摘している:「経済活動の意思決定者が暗黙知と分散された知識を通じて互いにコミュニケーションを取り、経済の計算問題を解決できる唯一の方法は価格である。」


二つ目は価値の次元である。市場メカニズムでは、参加者はシグナルとする市場価格に基づいてリソースの割当方法を決定する。例えば、消費者は商品やサービスの価格によって自分の利益を最大化するためにお金を使う方法を決定する;企業は利益を最大化するために生産要素と製品の価格に基づいてどのような商品を生産し、どれだけ生産するのかを決定する。現代社会では、市場メカニズムはいたるところにある。私たちは常に様々な市場に参入し、価値を生み出し、価格を交換し、限られたリソースを最大限に活用している。アダム・スミスは、『国富論』における市場メカニズムの役割を鮮明に明らかにしている:「私たちが毎日必要とする食べ物や飲み物は、肉屋・醸造業者・パン屋からの恩恵ではなく、彼らが独自の利益を得るために提供するものだ。資本と労働を利用するすべての個人は、公共利益を促進することを意図しないだけではなく、どの程度までどの利益を促進するのかも知らない。彼らは目に見えない手に導かれて、元々想定していない目標を達成するために最善を尽くした。そして独自に利益を追いかけることによって、常に社会的利益を促進している。」


市場メカニズムをデバイスのネットワークに導入できるか。



これからの内容は有料コンテンツになります。


ご購入したい場合、弊社のノート上にご確認ください。