カーボンインクルーションビジネスにおけるブロックチェーン応用

気候変動という世界的な課題に応えて、多くの国や地域は、将来的にCO2排出量の「正味ゼロ」を達成することを約束している。2020年9月、習近平中国共産党中央委員会総書記は、「中国は自主貢献度を増やし、より強力な政策と措置を採用することで、2030年までにCO2排出量のピークに到達し、2060年までにカーボンニュートラルを実現する」と発表した。

炭素市場は「カーボンニュートラル」を実現する過程で重要な役割を果たす。


炭素市場


炭素市場とは、CO2やその他の温室効果ガスの排出を市場メカニズムに通じて管理し、より低コストで排出削減の目標を達成することを目的とした、CO2排出権の取引市場である。炭素市場の取引主体には、企業、機関、個人が含まれる。中国の炭素市場は、炭素排出枠の分配市場、炭素排出削減の市場、カーボンインクルーション市場の三つのレベルに分けることができる。

排出枠は、政府部門が指定期間内に主要排出単位に配分したCO2排出割当量を指し、CO2排出権の証明および運び手である。1単位の排出枠は1トンのCO2に相当する。炭素排出枠の分配市場のターゲットは、炭素市場の主要な参加者としての大手企業である。市場メカニズムで資源配分を最適化することにより、炭素排出枠の分配市場は、企業に時代遅れの生産能力を排除し、グリーンおよび低炭素の変革とアップグレードを促進できる。

排出削減とは、中国の国家開発と改革委員会が発表・実施した「自主的に温室効果ガス排出を削減する取引管理のための暫定措置法」に従い、国家の登録制度に提出・登録された温室効果ガスの自主的な排出削減量である。炭素排出削減の市場のターゲットは、グリーンおよび低炭素型のプロジェクトである。それによって、それらのプロジェクトによって生み出される価値を定量化し、プロジェクトにインセンティブを提供することである。

カーボンインクルーションは、主に中小企業、コミュニティ、家庭などの国民を対象として、低炭素の知識を広め、低炭素の生活を促進し、社会全体で低炭素の消費を促進することを目的としている。そして、カーボンインクルーションは、国民のグリーンおよび低炭素型の行動を定量化し、ビジネスインセンティブ、政策奨励、および認証排出削減量の取引を組み合わせたポジティブなガイダンスメカニズムを確立する。

本論は主にカーボンインクルーションに焦点を当てて研究を行った。


カーボンインクルーション


炭素排出枠の分配市場と炭素排出削減の市場とは異なり、カーボンインクルーションは消費側(生産側ではなく)からの排出削減を促進し、基本的には、一般市民が環境に配慮した低炭素な行動を行うための積極的なインセンティブである。理論的には、グリーンおよび低炭素型の活動に参加することにより、国民は一定の排出削減量を直接獲得し、排出削減量の販売で収益を得ることができる。しかし、国民がカーボンインクルーションに参加することによって得られる認証排出削減量は、「小さくて散在される」という特徴を持っている為、誰もが得られる排出削減量は比較的小さく、カーボンインクルーション市場での直接取引には適していない。したがって、より適切な解決策は、カーボンインクルーションエコシステムを生成し、一般市民の断片的な認証排出削減量を集約し、それらを集まって販売することである。主なプロセスを次の図に示している。



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